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令和3年度 第1回血液部門 勉強会報告

【日 時】令和3年8月6日(金)18:30~20:30

【場 所】オンライン開催(ZOOM使用)

(関係者は同時時間 三重県文化センター 生涯教育センター小研修室)

【テーマ】①血液像の見方

【講 師】桑名市総合医療センター 矢橋知子 技師

【テーマ】②骨髄像の見方

【講 師】鈴鹿回生病院 広瀬逸子 技師

【参加者】25名

【内容】①血液像の見方*これから血液像を見始める技師にもわかりやすく赤血球・白血球・血小板について詳しく説明してもらった。赤血球では形態や寒冷凝集・連銭形成など血算器でピットホールになる要素まで実際図を見ながら説明してもらった。白血球では好中球の分葉や異型リンパ球など迷いやすいものを実例として説明してもらった。血小板では凝集や大血小板大型血小板などピットホールについて説明してもらった。

②骨髄像の見方*骨髄検査をする疾患・穿刺方法から薄層塗抹標本と圧挫標本の作製・見方等基本のことから骨髄像観察手順・異形成の捉え方・骨髄観察の仕方・報告書の作製方法まで説明してもらった。

質問等はほとんどなく初めてのZOOM勉強会であったが視聴者からはスライドが身近で見ることが出来て良かった。基本的は内容で良かったと言った意見があった。

報告者:臨床血液部門長 広瀬逸子

 

 

 

令和2年度 第1回血液部門 勉強会報告

【日 時】令和2年8月21日(金)18:30~20:00

【場 所】三重県総合文化センター 中研修室

【テーマ】①MPNの遺伝子検査

②血液担当技師のための輸血の話

【参加者】15名

【講 師】①三重大学医学部附属病院 池尻 誠 技師

②鈴鹿回生病院 堤 泰夫 技師

【内容】

①MPNの基礎から疾患までの説明と実際珍しい症例を提示して経過を説明してもらった。ほぼ遺伝子検査は外注されている病院が多くなかなか結果解釈が難しいところではある。外注ではできない遺伝子検査も三重大学では実施したりしていて、どうやったら検査してもらえるか?また疾患によって積極的にやりたい検査は?などの質問があった。遺伝子の検査はほとんどの施設が外注であるためか、難しい!!結果の解釈もよくわからない!!と思ってしまう。しかしこれから診断には欠かせないものになってくるので積極的に勉強会に取り入れたいと思う。

②血液担当に理解しておいてほしい輸血検査として間接抗グロブリン試験、骨髄腫治療薬ダラツムマブで起こる影響、輸血による予測上昇率の計算式、異常反応について講義してもらった。日頃結果を一番に見るのは血液担当者であり、輸血後の結果を見るのも血液担当者である。輸血と血液が連携してやることで早く結果を返すことができるということは多々あると思う。今後も連携して業務に当たれるようしっかり知識をつけたいと思った。

*今回コロナの影響で参加者は少なかったものの、感染対策をしっかり行い皆の協力のもと第一回勉強会を開催することができました。

報告者 : 臨床血液部門長  広瀬逸子

 

令和2年度 第2回血液部門 勉強会報告

【日 時】 令和2年11月6日(金)18:30~20:00

【場 所】三重県総合文化センター 中研修室

【テーマ】①血液検査のピットホール

②凝固検査のピットホール

【参加者】26名

【講 師】①伊勢赤十字病院 中村 小織 技師

②鈴鹿回生病院 広瀬 逸子 技師

【内容】

日当直で困らないよう 新人技師、日当直でしか血液検査を行わない技師を対象にピットホールの紹介をした。

血液検査ではCBC測定の目的・採血管・生理的変動など基礎的なことをはじめ、赤血球恒数・血球容積・貧血の分類を講義し実際データーを表示しこのデーターの解釈、解決策など分かりやすく説明してもらった。

凝固検査では凝固のカスケートをおさらいし抗凝固剤・血液との割合 なぜ採血な規定量でないといけないのか?・採血の順番・検体保存の温度を講義し実際データーを表示しデーターの解釈、解説策を説明した。

どちらの検査もピットホールを理解しておけば間違ったデーターを返すことはないと思う。再検して同じだから送った!!ということでは間違った診断・処置をすることもあると思う。

日常業務でも十分遭遇することなので今後の業務に役立ててもらいたい。

今回血液担当ではない技師がほとんどでありし質問はあまり出なかった。血液担当者からは検体乳びの時の対処法・偽性血小板減少症時の対処法など各施設どのようにしているか?といった質問があった。

*今回コロナの影響で参加者は少なかったものの、感染対策をしっかり行い皆の協力のもと第2回勉強会を開催することができました。

報告者 : 臨床血液部門長  広瀬逸子

 

 

令和2年度 第1回輸血細胞治療部門 勉強会報告

【日 時】令和2年9月24日(木)18:30~20:30

【 場 所 】 三重県総合文化センター セミナー室A

【 テーマ 】 日当直のための血液型・不規則抗体スクリーニング検査

緊急輸血検査について

【 講 師 】  日当直のための血液型検査について

三重中央医療センター  羽根 頼子 技師

日当直のための不規則性抗体スクリーニング検査について

鈴鹿回生病院      堤  泰夫 技師

緊急輸血検査について

桑名市総合医療センター 大矢知 崇浩 技師

【参加者】29名

【内容】

今回は主に新人技師や輸血検査経験が短い方や日当直者向きの基礎的な勉強会として開催されました。また今年度は実技講習会も中止の見込みとなったこともあり参加者は積極的に勉強会に臨み、活気があふれた勉強会となりました。

報告者 : 輸血細胞治療部門長

大矢知 崇浩

 

令和2年度 第2回輸血細胞治療部門部門 勉強会報告

【 日 時 】 令和2年11月26日(木)18:30~20:30

【 場 所 】 三重県総合文化センター 4階 中研修室

【 テーマ 】 ・大量出血への対応について

・不規則性抗体スクリーニング陽性時の対応について

【 講 師 】  不規則性抗体スクリーニング陽性時の対応について

三重中央医療センター  羽根 頼子 技師

三重大学医学部付属病院 丸山 美津子 技師

大量出血への対応について

桑名市総合医療センター 大矢知 崇浩 技師

【参加者】19名

【内容】

今回は日常輸血検査で起こりうる不規則抗体スクリーニング陽性例とその対処法および血液型判定保留症例とその対応について三重中央医療センターの羽根頼子技師と三重大学医学部付属病院の丸山美津子技師の2名で講義しました。また、また多発性骨髄腫に対する新しい分子標的薬であるイサツキシマブ(サークリサ)について輸血検査への影響とその対処法を丸山技師から紹介しました。緊急輸血に対する技師の対応と1施設での緊急輸血フローチャートについて桑名市総合医療センターの大矢知崇浩技師から講義があり参加者は日常に起こりうる輸血検査困難症例に対する理解を深め、また各施設においての緊急輸血検査体制を改めて考えさせられる良い勉強会となりました。

報告者 : 輸血細胞治療部門長

大矢知 崇浩

 

令和2年度 第3回輸血細胞治療部門部門 勉強会報告

【 日 時 】 令和2年12月10日(木)18:30~20:30

【 場 所 】 三重県総合文化センター 4階 中研修室

輸血用血液製剤について

HLAについて

【 講 師 】  輸血用血液製剤について

三重県赤十字血液センター 学術・品質情報課  宮崎 浩輔 講師

HLAについて

三重県赤十字血液センター 学術・品質情報課  今井 重美 講師

認定輸血検査技師講習

地方独立行政法人 桑名市総合医療センター 大矢知 崇浩 技師

【参加者】20名

【内容】

第3回勉強会は認定輸血検査技師養成講座を兼ねて開催されました。

血液センターを講師として招き輸血担当技師として、HLAについて学び、血液製剤についての基本的な講演をしてもらいました。輸血担当技師としての知識の幅を広げることができた有意義な買いとなりました。また認定輸血検査技師講習として大矢知 崇浩技師より認定輸血検査技師の現状と受験の手引き、心構えについて講演されました。認定輸血検査技師を目指す技師にとって良い刺激になった勉強会でした。

報告者 : 輸血細胞治療部門長

大矢知 崇浩

【日 時】令和2年2月15日 (土) 13:00~15:00
【場 所】三重大学医学部探索医学研究棟3Fリフレッシュスペース
【参加者】18名
【内 容】
(1)病理細胞部門精度管理報告
桑名市総合医療センター 今野 和治 技師

(2)液状化検体細胞診(LBC)と診断補助に役立つ注目バイオマーカーについて
ロシュ・ダイアグノスティック株式会社
病理診断・シークエンシング事業部
大橋 健太 講師

(1)の病理細胞部門精度管理報告では、一症例ずつ診断のポイントを解説していただいた。(2)の講演では、LBCの基本原理からLBC標本で免疫染色を行うときのポイントや診断に有用な抗体について解説していただいた。

報告者:病理細胞部門長
金山和樹

資料は、こちら

【日 時】令和2年1月24日 (土) 19:00~20:00
【場 所】三重大学医学部探索医学研究棟3Fリフレッシュスペース
【参加者】19名
【内 容】
『遺伝子検査とそれに関わる分子生物学的技術について』
サーモフィッシャーサイエンティフィックライフテクノロジーズジャパン株式会社
クリニカルシーケンス部  大藤 努 講師

病理検体から実施される遺伝子検査の種類と原理について分かりやすく解説していただきました。

報告者:病理細胞部門長
金山和樹

【日 時】令和元年11月21日(木曜日) 18:45~20:45

【場 所】遠山病院 4階 講堂

【テーマ】「救急で気をつけなければいけない、徐脈と頻脈心電図のみかた」

【参加者】 42名

【講 師】 徐脈性不整脈: 山北 篤 技師   遠山病院

頻脈性不整脈 : 岸江 知哉 技師  済生会松阪総合病院

 

【内容】

第一部は「救急で気をつけなければいけない徐脈性不整脈」のタイトルで、山北篤技師より、徐脈時の症状、原因について、基本的な心電図のよみかた、BlockedPAC,(促進型)房室接合部・心室調律、洞不全症候群、junctional escaped rhythm 、ペーシング不全、急性下壁梗塞に伴った洞結節、房室接合部異常、高カリウム血症、心膜炎について講演していただいた。

第二部は「救急で気をつけなければいけない頻脈性不整脈」のタイトルで、岸江知哉技師より、洞頻脈、心房細動、心房粗動、AVNRT,AVR 、心室頻拍、偽性心室頻拍について講演していただいた。特に心室頻拍のところでは脚ブロックを伴った上室頻拍、心室内変更伝導を伴った上室頻拍との心電図波形による鑑別法のあとに、実際の心電図を呈示しながら詳細に解説していただいた。

二人の講師ともわかりやすく、日常臨床に即役立つ内容であり好評であった。

 

報告者作成者:臨床生理部門副部門長(循環生理分野)

辻井正人

【日 時】 令和元年11月8日(金) 18:30~20:30

【場 所】 三重大学医学部附属病院 病院棟12F 三医会ホール

【テーマ】 ・DD検査の基礎から採血管内凝固の影響について

LSIメディエンス 学術部 神永紗由里 講師

・APTT延長

伊勢市立総合病院 谷口彰 技師

【参加者】 19名

【内 容】

・DDの基礎から採血管内凝固の講義ではDDとFDPの関係や乖離したデータの考え方など基礎から解説いただき、生体内での反応と凝固の項目を再度確認する事が出来、有用であった。

採血管内凝固に関しては、どのような時に疑うかの確認方法も解説いただき、今後の日常業務に活用出来ると思われた。

・APTT延長の講義ではPT、APTTの基礎的なカスケードから解説いただいた。モニタリングのことやDOACの話も取り込み症例提示もあり、血液担当以外の方にも理解しやすい内容であったと思われた。

採血管内凝固の確認や臨床に報告するにあたって各施設の話も議論となった。

 

報告者:臨床血液部門 部門長 広瀬逸子

 

 

【日 時】令和元年9月14日(土)11:00~16:30

【場 所】鈴鹿医療科学大学千代崎キャンパス実験棟2F4528教室

【テーマ】

①末梢血の見方  豊橋市民病院 検査課 内田一豊技師

②フローサイトメーターの基礎とデータの見方

ベックマンコールター株式会社 ライフサイエンス事業部 マーケティング本部

フローサイトメトリーマーケティング アプリケーション 高野邦彦 講師

③骨髄の見方  岐阜市民病院 検査課 横山裕子技師

④細胞を見てみよう‼ 顕微鏡実習

【参加者】35名

【内容】

末梢血の見方 骨髄の見方の講義をしていただいた。

細胞の特徴や注意しなければならない細胞、データから疾患の推測まで初診者にもわかりやすく説明していただいた。細胞カウントするためのスライドの見方や、なぜそのように観察するのか!に関して説明があり、受講者はよく理解できたと思われた。

午後からは顕微鏡を使用し、細胞の観察をおこなった。様々な疾患の標本を供覧し、受講者は、ひとつひとつ細胞を観察し、理解できない点を質問していた。

最後はスライドを用いて、疾患を推測しそれぞれ意見交換をおこなった。

他施設の技師と同じ標本を観察し目合わせをすることは、標準化にも繋がりよい経験になったと思われた。

 

報告者:臨床血液部門 部門長 広瀬逸子

 

令和元年度 第4回 神経生理分野勉強会報告

【 日時 】2019年10月18日(金)19:00~21:00

【 場所 】松阪市民病院 2F講義室

【参加人数】9名

【 内容 】①『なんだこりゃこりゃ! 脳波検査のアーチファクト対策』

講師:松阪市民病院  中島 佳那子 技師

今回の勉強会は、脳波検査時に混入するアーチファクトについての講義でした。アーチファクトは被検査者に起因するものと被検査者以外に起因するものと大きく2つに分けられ、被検査者に起因するものには発汗、心電図、脈波、筋電図、眼球運動などがあります。被検査者以外に起因するものには電極(分極電圧、装着不良、リード線あしらい)、交流障害、点滴などがあげられます。心電図の混入は棘波と見誤ってしまうため注意が必要です。被験者が太っていて首が太かったり、心肥大があったりする場合などは全般性に混入する事が多いです。対策として接触抵抗をしっかり下げること。平均基準電極誘導で記録する。頭位を右に傾けるなどがあります。脈波のアーチファクトは局在性の徐波の様に出現しますが心電図と一致しているため、心電図の同時記録は重要となります。脈波は電極装着部に動脈が走行しているために混入するので、電極位置を少しずらすと消失します。眼球アーチファクトは、眼球前面が陽極、後面が陰極に帯電しており、閉眼時に眼球が上転し、開眼時に戻るため脳波上では前頭極部優位に混入してきます。商用交流は、東日本は50Hz、西日本は60Hzです。交流の発生源として電灯線や医療機器の電源部などがあります。対策として最初に行うべきことは皮膚接触抵抗を小さくし、電極間の抵抗値の差を小さくする。電極リード線を束ねてまとめる。周辺機器がある場合は、コンセントから電源プラグを抜くか患者から遠ざけるなどの工夫が必要です。それでも十分に除去できない場合は、ACフィルタ-を用います。脳波記録時に混入するアーチファクトを十分に理解し、きれいな記録を得ることが基本となります。

 

②症例検討会

二相性脳症(Acute encephalopathy with biphasic seizures and late reduced diffusion (AESD))

伊勢赤十字病院 岡本 恵助 技師

AESDの臨床像は①発熱24時間以内にけいれん(多くはけいれん重積)で発症。② 意識障害はいったん改善傾向。③ 4-6病日にけいれん(多くは部分発作の群発)の再発、意識障害の増悪。④ 原因病原体としてインフルエンザウイルス、HHV-6,7 の頻度が高い。⑤ 軽度精神発達遅滞(発語の低下、自発性の低下)から重度の精神運動障害まで予後は様々です。今回提示された症例も痙攣で発症し、一度発作の軽減を認めるも再燃し、脳萎縮と重度の運動機能障害を認め、脳波上も並行する経過を辿っていました。

 

 

告者:臨床生理部門副部門長(神経生理分野)

渡邊 孝康

令和元年度 第3回 神経生理分野勉強会報告

【開催日】2019年9月26日(木)19:00~21:00

【会 場】 松阪市民病院 2F講義室

【参加人数】18 名

【内容】

『新生児・乳児・幼児期の脳波 ~基礎~』 三重大学医学部付属病院    白本 裕平 技師

 

勉強会のタイトルには新生児・乳児・幼児期の脳波とありますが、今回は新生児だけの脳波に特化して、基礎を主体に異常脳波についても少し触れての講義でした。WHO(世界保健機関)では、生まれた日を0日目として生後28日未満を「新生児」と定めています。さらに生後7日目までを「早期新生児期」、残りの期間を「後期新生児」としています。新生児の覚醒時は徐波が主体で、生後1~2か月では不規則な徐波が出現しますが、中心部に4~6Hzの律動波が出現、3か月頃に後頭部優位となります。4歳頃には7~9Hzの波が後頭部優位に出現、周波数は年齢と共に増加し、9~10歳頃までは中心部・側頭部に不規則なθ波が混入、10~15歳頃ではα波は10~12Hz、20歳頃で成人の脳波パターンとなります。新生児では、中枢神経系に大きな侵襲があっても、子供の動きなどの見た目から変化に気づくのは難しいです。超音波やCT・MRIなどの神経画像だけでは、タイミングよく画像検査を行うのは難しく、リアルタイムに病態を評価するには限界があります。脳波は、大脳機能をリアルタイムに反映し、侵襲もほとんどないため有用です。脳波記録に関しては、新生児・低出生体重児などには「電極数を減した配置」をとります。新生児脳波では覚醒時から得られる所見は少なく、動睡眠・静睡眠の区別が需要となります。脳波記録は自然睡眠で記録することが重要で、授乳直後から記録するとよい結果が得られやすいです。記録時間は40~60分行うのが良く、新生児期は睡眠と覚醒の周期が2~3時間と短く、このうち睡眠段階の持続は20分程度とされています。覚醒時間は少なく、睡眠時の脳波を判読します。入眠段階により成人のREM睡眠に相当する動睡眠が出現し、睡眠深度が深まるとNREM睡眠に相当する静睡眠へ移行します。動睡眠は高振幅徐波が間歇的に出現するとともに生理的transientsと呼ばれる波形が目立つ混合性パターン、さらに眠りが深まると、体動は消失、静睡眠へ移行します。静睡眠では高振幅徐波が連続的に出現する状態へ移行し、基線が消失、高振幅徐波パターンとなります。修正48週(満2か月)後は睡眠周期が深まっても高振幅徐波パターンのままです。修正40周では交代性パターンという新生児特有の脳波パターンが出現し、高振幅徐波パターンの様な高振幅部分と低振幅不規則パターンのような低振幅部分が数秒間隔で交互に現れます。早産児では低振幅部分はほぼ平坦であり、交代性パターンと区別して非連続性パターンと呼びます。また早産児では動睡眠とも静睡眠とも定義を満たさない未熟な睡眠段階があり、不定睡眠と呼びます。以上の内容を脳波波形とともに解説した講義でした。

 

報告者:臨床生理部門副部門長(神経生理分野)

渡邊 孝康

令和元年度 第3回 循環生理分野勉強会報告

【日 時】2019年9月26日(木曜日) 18:45~20:45

【場 所】遠山病院 4階 講堂

【テーマ】「虚血心電図のみかた:虚血による不整脈と鑑別すべき疾患」

【参加者数】43名

【講 師】虚血による不整脈:小阪絵美 技師  松阪市民病院

虚血と鑑別すべき疾患:東咲希 技師  伊勢赤十字病院

【内 容】

前半「虚血による不整脈」のタイトルで、小阪絵美技師より、冠動脈と刺激伝導系の基礎から、虚血により発生しうる心室期外収縮、心室頻拍、心室細動、促進型心室固有調律、徐脈性不整脈、房室伝導障害についての解説。続いてカブレラ誘導について、下壁誘導においてST上昇がある場合の責任冠動脈の鑑別方法。右室梗塞の心電図のみかたについて解説していただいた。

後半は「虚血性心疾患と鑑別すべき疾患」のタイトルで、東咲希技師に虚血以外でST低下する、ジギタリス効果、低カリウム血症、貧血、心肥大、頻脈について、またST上昇については、急性心膜・心筋炎、Brugada症候群、たこつぼ型心筋症、差脚ブロック、右室ペーシング、低体温、早期再分極症候群につき、病状や心電図の特徴など、実際の心電図を呈示しながら詳細に解説していただいた。

二人の講師ともわかりやすく、日常臨床に即役立つ内容であり好評であった。

 

報告者:臨床生理部門 副部門長(循環生理分野)

辻井正人